不動産売却のすべてがわかる

後悔しないための全ステップと成功戦略

所有されている大切な不動産を、納得のいく形で売却する。それは、多くの方にとって人生における重要なプロジェクトの一つです。 本ガイドでは、不動産売却が初めての方でも安心して、そして自信を持って取引を進められるよう、 準備段階から売却完了後の手続きまで、全てのステップを網羅的に、そして徹底的に深掘りして解説します。

売却ガイドを読む

売却の4つのステップ

準備・情報収集

相場把握と売却費用の理解

不動産会社選び

信頼できるパートナーの選択

売却活動

内覧対応と価格交渉

契約・決済

契約締結と物件引渡し

STEP 1

準備・情報収集編|成功の9割はここで決まる

本格的な売却活動に入る前の「準備」こそが、売却プロジェクト全体の成否を左右します。 焦って不動産会社に相談する前に、まずはご自身でやるべきことがあります。

我が家の「本当の価値」を知る〜相場把握の精度を高める〜

まず最も重要なのが、客観的な相場観を養うことです。これにより、不動産会社が提示する査定額が妥当であるかを判断する基準ができます。

査定サイトでの「机上査定」

物件情報(所在地、面積、築年数など)を入力するだけで、複数の不動産会社からおおよその査定額が送られてくるサービスです。まずはこれで「大まかな相場」を掴みましょう。

これはあくまでデータ上の簡易的な査定であり、実際の売却価格とは乖離があることを理解しておく必要があります。

成約事例サイトでの「実勢価格」の確認

より現実に近い価格を知るために、実際に取引が成立した価格(実勢価格)を調べます。

  • 国土交通省「不動産取引価格情報検索」: 実際に売買された物件の価格、時期、所在地などが確認できます。
  • 不動産流通機構「REINS Market Information」: 全国の不動産会社が利用するデータベースから抽出された情報で、より詳細な成約事例を閲覧できます。

「訪問査定」で精度の高い査定額を知る

机上査定で数社に絞り込んだら、実際に物件を見てもらう「訪問査定」を依頼します。物件の状態(日当たり、眺望、室内の綺麗さ、設備の状況など)が価格に反映されるため、最も精度の高い査定額が期待できます。

最低でも3社以上に依頼し、査定額とその根拠を比較検討することが、高値売却の第一歩です。

全体像を把握する!売却にかかる諸費用と税金

売却で得た金額がすべて手元に残るわけではありません。事前に諸費用と税金を正確に把握し、資金計画を立てておくことが極めて重要です。

売却費用シミュレーター

主な売却費用の内訳

仲介手数料

不動産会社に支払う成功報酬です。法律で上限が定められています。

速算式:売買価格の3% + 6万円 + 消費税
印紙税

売買契約書に貼付する印紙の代金。売買価格によって税額が異なります。

登記費用(抵当権抹消費用など)

住宅ローンが残っている場合、抵当権を抹消するための登記が必要です。これは司法書士に依頼し、数万円程度の費用がかかります。

住宅ローン一括返済手数料

ローンを繰り上げて一括返済する際に、金融機関に支払う手数料です。

譲渡所得税・住民税

最も注意が必要な税金です。不動産を売却して得た利益(譲渡所得)に対して課税されます。

譲渡所得 = 売却価格 - (取得費 + 譲渡費用)
重要な特例: マイホームの売却であれば、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる「3,000万円特別控除」が利用できる場合があります。この特例を使えれば、多くの場合で譲渡所得税はかかりません。
STEP 2

不動産会社選び編|成功を左右するパートナーの見極め方

どの不動産会社に、そしてどの担当者に依頼するか。これは売却の成功を左右する最も重要な選択です。

大手 vs 地域密着?会社選びの視点

大手不動産会社の強み

  • 豊富な顧客情報
  • 全国的なネットワーク
  • ブランド力による安心感
  • 充実した広告宣伝力

地域密着型不動産会社の強み

  • 特定エリアの市場動向や顧客ニーズに関する深い知識
  • 柔軟で小回りの利く対応
  • 独自のネットワーク
どちらが良いと一概には言えません。ご自身の物件があるエリアの特性を考慮し、両タイプの会社から話を聞くことをお勧めします。

最高の担当者を見抜くための「魔法の質問」

最終的に頼りになるのは「担当者」個人の力量です。訪問査定の際には、査定額だけでなく、以下の質問を投げかけてみましょう。

質問1

「この査定額の具体的な根拠を、データに基づいて教えてください」

質問2

「私のこの物件の『強み』と『弱み』は何だとお考えですか?」

質問3

「この物件を売却するために、どのような販売戦略を計画しますか?(広告媒体、ターゲット層など)」

質問4

「売却活動中の進捗報告は、どのくらいの頻度で、どのような方法で行っていただけますか?」

これらの質問に対し、情熱と自信を持って、論理的かつ具体的に回答できる担当者は信頼できる可能性が高いでしょう。

「媒介契約」3種類の完全理解と比較

不動産会社との契約には3種類あります。それぞれのメリット・デメリットを理解し、ご自身の戦略に合ったものを選びましょう。

契約の種類 契約できる会社数 自己発見取引 REINSへの登録義務 業務報告の義務 おすすめのケース
専属専任媒介 1社のみ 不可 5日以内 1週間に1回以上 積極的に売却活動をしてほしい、手厚いサポートを期待する場合
専任媒介 1社のみ 可能 7日以内 2週間に1回以上 1社に任せたいが、自分で買主を見つける可能性も残したい場合
一般媒介 複数社可能 可能 任意 任意 人気エリアや好条件の物件で、競争させて早く高く売りたい場合
初心者の方で、まずはじっくり1社と向き合いたい場合は「専任媒介契約」から始めるのが一般的です。
STEP 3

売却活動編|物件の価値を最大限に引き出す

媒介契約を結んだら、いよいよ本格的な販売活動が始まります。ここでは「買主目線」を持つことが成功の鍵です。

買主の心を掴む「内覧」の準備と演出

内覧は、物件の魅力を直接アピールできる最大のチャンスです。

「5S」の徹底

整理・整頓・清掃・清潔・躾(しつけ)。特に、第一印象を決める玄関、そして清潔感が問われるキッチン・浴室・トイレは徹底的に磨き上げましょう。

生活感を「消す」工夫

個人の趣味が強く出るポスターや写真は一時的に片付け、モデルルームのようなスッキリとした空間を演出します。

五感を刺激する演出

視覚

全ての照明を点灯し、カーテンを開けて室内を最大限明るく見せる。

嗅覚

事前にしっかりと換気し、芳香剤は無香または万人受けする香りに。ペットやタバコの臭いは徹底的に対策を。

聴覚

内覧中はテレビを消し、静かで落ち着いた環境を作る。

当日の心構え

買主からの質問には誠実に答え、物件の良い点(例:日当たりの良さ、収納の多さなど)を簡潔に伝えましょう。ただし、過度な売り込みは逆効果です。基本的にはプロである担当者に任せるのが賢明です。

「買付申込書」から始まる契約交渉

購入希望者から「買付申込書(購入申込書)」が提出されたら、具体的な条件交渉に入ります。

交渉ポイント

交渉は価格だけではありません。「引渡しの時期」「手付金の額」「住宅ローン特約の有無」など、様々な条件をすり合わせます。

冷静な判断を

希望価格より低い金額で申込みがあった場合でも、すぐに断るのではなく、その後の交渉の余地や他の条件面を総合的に判断します。不動産会社の担当者と密に連携し、最適な落としどころを探りましょう。

STEP 4

契約・決済編|ゴールまであと一歩、慎重に

条件が合意に至れば、最終段階の契約と決済です。最後まで気を抜かず、慎重に進めましょう。

「売買契約」の締結

契約は、通常、不動産会社のオフィスで行われます。宅地建物取引士が、物件に関する法的な情報や権利関係が記載された「重要事項説明書」を読み上げ、その後「売買契約書」に署名・捺印します。

必ず確認すべきこと

少しでも疑問や不明な点があれば、その場で必ず質問し、完全に納得してから署名してください。契約後の変更は極めて困難です。

手付金の受領

この時点で、買主から売買代金の一部である手付金を受領します。

契約不適合責任

売却した物件に、契約内容と異なる不具合(雨漏り、シロアリ被害など)が後から見つかった場合、売主が負う責任のことです。契約書でその範囲や期間がどう定められているか、必ず確認しましょう。

「決済」と「引渡し」

契約で定めた日に、買主・売主・司法書士・不動産会社担当者が金融機関などに集まり、最終手続きを行います。

当日の流れ

1
本人確認と書類確認

司法書士による本人確認と登記に必要な書類の確認。

2
残代金の送金

買主から売主の口座へ、残代金の送金。

3
所有権移転登記

着金確認後、司法書士が法務局へ所有権移転登記を申請。

4
物件引渡し

売主から買主へ、物件の鍵や関連書類(建築確認済証、取扱説明書など)をすべて引渡す。

5
各種費用の支払い

不動産会社へ仲介手数料を、司法書士へ登記費用を支払い、全ての手続きが完了。

専門家による無料売却相談

このガイドをお読みいただき、ありがとうございました。不動産売却について基本的な知識は身についたものの、 「実際の自分の物件はどうなのか?」「具体的にどう進めればよいのか?」 といった疑問をお持ちではありませんか?

リノベ不動産|九段下店について

私たちリノベ不動産は、全国的なネットワークと地域密着型不動産のメリットを兼ね備えた小さな不動産屋さんです。 大手の豊富な情報力と地域密着型の細やかなサービスを組み合わせ、お客様一人ひとりに最適な売却戦略をご提案いたします。

担当者のご紹介

津川 和之(つがわ かずゆき)

宅地建物取引士

豊富な実務経験を持つ宅地建物取引士として、数多くの売却案件を成功に導いてまいりました。 お客様の大切な資産である不動産を、最適な条件で売却できるよう、 市場分析から価格設定、販売戦略の立案まで、全工程にわたってサポートいたします。 「お客様の立場に立った誠実な対応」をモットーに、後悔のない売却を実現いたします。

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おわりに:最高の売却体験のために

不動産売却は、多くの手続きと決断を伴う一大プロジェクトです。しかし、各ステップで何をすべきかを正しく理解し、信頼できるプロのサポートを得られれば、決して難しいものではありません。

最も大切なのは、あなた自身が売却の主体であるという意識を持ち、情報収集を怠らず、納得して決断を下していくことです。この記事が、あなたの後悔のない、そして満足のいく不動産売却の実現に少しでも貢献できたなら幸いです。